自分のこころの声に耳を傾けることが、どこかでちゃんと繋がっていく。
育休中に思いつき、楽しみを増やすつもりで取得した運転免許が、今では欠かせない。
運転してみたい!
2019年秋、生後8か月を超えた娘と一緒にドライビングスクールに通い始めた。
第2子の育休は早生まれということもあり、育休は1年ほど取得予定。
生後半年をすぎてからだったか…
授乳間隔が安定してきたころ、「今しかできないことなんだろう」と、うずうずしていた。
基本的にはいろいろな作業を同時並行するマルチタスクが好き。
1個に集中できないだけかもしれない。
お得感もあるかもしれない。
失敗や機会損失のリスクを減らしたいのかもしれない。
1つにエネルギー全投入するよりも、2つ、3つ、同時にやって…
そのうちの1つが失敗でもいいじゃない、平均及第点以上を目指そうというスタンス。
(まあたまには同時に皿をまわしすぎて全部ひっくり返ることもあるけれど。)
ある日、出産した産院近くのドライビングスクールが保育付き(無料)と知った。
娘を児童館に連れて行ったりもしていたけれど、一時的に預けてリフレッシュも必要だと感じていたころ。
送迎もついていて、登園時間との兼ね合いもよさそう…
一時保育にあずけてリフレッシュするよりも、保育つきスクールで資格を取得するほうが私にとっては魅力的に思えて…
なんだかむくむくと免許がほしくなったのを覚えてる。
免許がないから住基カード持ってなきゃいけないし~ とか、
地方に帰省したり遠出したりするとき、かわりばんこに運転できるよ~ とか、
ついでのような理由を色々言ってみたものの、家庭内予算は降りそうもなかった。
「結局は、運転してみたい!という気持ちが強いみたい。」
そう伝えて、数年後に再チャレンジするか…と諦めていたのだけれど。
しばらくしてから、夫から「いいんじゃない」とOKが出た。
要は、必要経費というよりも、「やりたい!」思いを叶えてあげたくなったという。
(なるほど、そういう方向性で押すのもありだったのか…)
保育付きドライビングスクールに通ってよかったこと
保育付きドライビングスクールの日々は、私にとっては「充実!」の一言に尽きた。
息子は展示されているバイクにまたがってはご満悦…!
こちらも走り回る息子を追いかける必要もなく、楽しむ様子を見られて嬉しかった。
(ある意味、娘が0歳だったからの余裕。今ならどちらが乗るかでケンカしそう…。)
大学生のころ、お金は今よりもっともっと無くて、それこそ明日も見えなかったし。
30歳を過ぎても都会では必要ないと言われながら、内心はずっと欲しかった運転免許。
結果的に、第2子育休中に通学して良かったなあと個人的に思うことがたくさんある。
良かったこと1 生活リズムに良い変化があった
週に数回通うようになって、1コマ目にでるためには朝しっかり早起きをして息子と通園し、バスに乗り込む必要があった。
すべてが家の周りで完結していた日々が変化した。
娘に無理のない範囲で、1日2~3時間の通学にしていたため、ほどよく生活にメリハリが出た。
産後のからだの回復も助けていたと思う。
よく歩いたし、勉強すること自体も職場復帰のためには良い刺激だと感じた。
良かったこと2 子どもたちが楽しんでいた
週に数回数時間というのは娘にとって良い刺激だったようで、ママとの分離のときに泣くのも最初の1週間だけ。
(順応してくれたのは本当にありがたい~)
他の子とも遊ぶ様子が見られ、土日はたまに兄と一緒に預けたのもあってかすぐ慣れて…
保育室をとても気に入った様子だった。
息子は保育室のおもちゃ目当てに、「次はいつ?」と毎回聞いてきた。
2人同時に預ける日は、お昼休みに一度ひきとり、車の様子が見える席で楽しく食事をした。
(送迎バスの乗車時間中、赤ちゃんせんべいを与え寝かしつけたり、折り紙・パペット・その他でやりすごしたり…というのには苦労した…)
良かったこと3 産後の私にとって支えになった
離乳食がうまく進まないなあと感じていたころに、保育士さんとコミュニケーションがとれる環境というのもありがたかった。
(息子と違って娘はすこし小食、偏食気味だったので苦労していたし、そもそも息子のときは産後7~8か月で職場復帰していて、日中は保育士さんや給食にお世話になっていた。)
息子の通う保育園の保育士さんにも必要時は相談できるだろうが、娘をみてくれているわけではないからなかなか難しい。
自分以外の誰かが、食事や睡眠、日々の成長について共有してくれているというのは、いつでも本当に嬉しく、糧になる。
週に数日、朝のお昼寝と離乳食を任せられるなんて…しかも無料。
本当に日々感謝していた…。
授乳室も広く、息子を一緒に連れていても十分に過ごせたし、綺麗だった。
帰りに軽く外食をすることもあり、リフレッシュになった。
振り返ると、本当に、この時期にしかできなかったことだったなあ。
息子にはママがんばれ~と言ってもらえて嬉しかったし。
大学時代は余裕がなくて、免許なんてとれないな…って思っていたけれど。
大学のときには想像できない、思いもよらない良い体験ばかりだった。
(保育士さんも良い方で、子どもたちも慣れてくれて、私自身も産後の体調回復とちょうどよいバランスがとれていたからたまたま乗り切ったのかもしれないので、あくまでも、結果的にということではあるけれど…)
その後、運転免許が欠かせなくなった理由
年をまたぎ、お正月明けすぐから1週間ほど通って、とんとん拍子にスクールは卒業。
頑張りました…。
授業のコマを消化したり、テストを受けたりと、学生時代への懐かしさや達成感でけっこう楽しかった。
残すところ試験のみだったころ、娘の入園先が無事、息子と同じ保育園に決まり、4月入園、5月に職場復帰…という流れの予定だった。
けれど、2020年2月、新型コロナウイルスが世界で流行しはじめて…
子育て環境や家計改善、その他もろもろ考えた末、引っ越しを決意!
車も買うことに!
引越し後は保育園の送迎や休日のお出かけに欠かせなくなっている…。
免許取得を考えたときは、都心を離れたところでたまに運転するイメージだったのに。
紅葉する街路樹の中を走り抜け、山や川のそばにある保育園へ日々通うことになった。
車内では子どもたちと良い時間をすごしている。
不安や怖さもあったし、失敗もしたけれど…
運転席からの景色は、控えめに言って最高で。
最近では、「私は運転が好きだ(走りやすい道限定)」と言っている。
ここまで読んでくださった方には急展開だろうけれど…
実際、主体的に動いてはいるものの、渦中のわたしたち家族にとっても急展開でした。
2月 新型コロナウイルスの流行がニュースに
3~4月 日本でも流行し緊急事態宣言で登園自粛
5月 眠れない日々をすごし
6月 引越しを決意、免許の最終試験を受ける
8月 引越し
(コロナ流行から引越しまでの経緯などは、またどこかでシェアするのもいいかな…)
「運転免許を取得しようと思った秋ごろには思いもよらなかったところにたどり着いたね」
と夫婦でもときどき話す。
正直言って、免許を持っていなければ、一戸建てに住むなんて選択肢に入らなかった。
あの頃、子どもたちの過ごす場所が本当にすくなくて狭くて苦しくて…
2~3年で育んできた地域の交流も半ば絶たれ、祖父母が近居でないのに育児サポートも受けられず…
思い切って引っ越して、この1年以上はのびのびと過ごせたのは、
その必須要素だった免許取得をたまたま済ませていたのは、
本当になにかのご縁ではないかと思う。
(わたしたちが引っ越すことで、激戦区の保育園に空きもできて、誰かの幸運になっただろうしね。)
普段から、「やりたい」「おもしろい」「知りたい」っていうような、こころの声をもっと聴いてあげようと思った1つの大きな出来事。
とても個人的な体験だけど、誰かの参考になったら嬉しい。