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『モモ』|時間はだれのもの

 

本が好き。

作家の名前を覚えたり、系統立てて捉えていないので、語るには言葉足らずかもしれないけれど…嘘じゃない。

 

「子どもの頃も、今も、ずっと好きな本は?」と聞かれたら…

迷わず『モモ』だと答える。

 

今回は、ミヒャエル・エンデ作、『モモ』について久しぶりに考えたことを。

 

『モモ』との出会い

図書館に来る子どもが少なかったのだろうか…

学校図書館も、地域の図書館も、司書さんが優しかった。

よく話をしていた。

図書館が居場所の1つだった。

 

『モモ』との出会いは偶然だけれど、

小学校の図書館にミヒャエル・エンデの本がたくさんあったように記憶している。

 

小学校の図書館で出会った『モモ』。

思えば、小学生のころに転校してきて仲が良かった女の子も、『モモ』が好きだったっけ。

 

冒頭(第1章)から好きな理由

『モモ』をどんな話か?と聞かれたら。

「時間どろぼう」から時間を取り戻すべく冒険にでる不思議な少女の話。

物語のハイライトはやっぱり冒険の部分なんだけれど。

 

わたしは冒頭(第1章)も記憶にのこっていて、好き。

冒頭だけ読むこともあるくらい。

 

今は使われていない古い円形劇場に、ある日ふらっとやってきた少女。

モモや、モモを取り巻く大人たち・子どもたちの人物設定や関係性…。

「大人」って…?

「子ども」って…?

 

「ここに一人で住む」と言い出した少女に、なんとか知恵を出し合って手助けをする大人たち(子どもたち)の姿が好き。

A(大人やルール)から逃げて来た、

でもB(ひとりで生きる、誰かが面倒を見る)は難しい、じゃあ…どうしたら…。

 

できないのではなくて。

しないの?したくないの?する必要がないと判断したの?

 

価値観の真ん中を貫いて、「やるか・やらないか」。

…なんじゃないかな、と思うことがある。

(Just DO IT !)

 

「どうするか」「どうしたいか」を先に決めて方法を探そう、という…

Cプランを模索するプロセスには救いがあると感じる。

だから冒頭の部分から好きで、覚えているんだと思う。

 

時間はだれのもの?愛のゆくえは…

 

時間貯金をせまる「灰色の男たち」。

好きなことや、今できる心地よいこと、だれかと心を通わせる時間…

そうしたことを先延ばしにすることに警鐘を鳴らすような物語だと感じる。

 

もちろん、やるべきこと・やらなきゃいけないことはある。

時間どろぼうはどこにでもいる。

でも、自分のために、自分の愛するものたちのために、時間をつかいたい。

愛するものに時間を惜しみたくない。

そのために、日常や習慣をデザインしていけたらなあ…。

 

 

 

…愛するものってなんだろう?

愛するものに惜しみなく時間を使いたいけど、その愛はどこに向かえばよいのか…。

 

自分にとってなにが大切なのか、失わないとわからないこともあるけれど。

物語を読むことをきっかけに、改めて立ち止まって見つめ直してみたい。

そうした今の気持ちを、まずは大切にしようと思う。

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