ただ書く

おかえり、わたしの文章。

 

5月、お気に入りの図書館に本を返しに行った。

三浦しをんさんのエッセイをよんでいて、無償に文章が書きたくなった。

いや、うそだ。

そのまえからずっと、書きたい衝動があっても抑えてきたのである。

なぜそんなことをしていたのか?

「今年はラジオをする年」にするって決めていたから。

 

なにも、ラジオ以外やってはいけないという意味ではなく、わたしのことだから、途中からいろんなことに興味が湧いて、そのたびに手をつけていたら他のことが今度は疎かになって……というようになりかねないな、と思ったから、自分にそう言い聞かせていただけのことだけど。

 

1月から自分の番組をはじめた。

書くとこんな、1行、ひとこと、簡単なようだけど、もちろんいろんな準備やいろんな葛藤やなんかを抱えつつも、わたしとしてはやっとの思いで始められた番組だ。いまでも、いつでも、迷いを抱えつつ、楽しくやっている。

問題は、一所懸命になりすぎるといつも、なにか他のことを勉強したくなったり、つくりたくなったりすることだ。

建設的な現実逃避。

それが、息抜きや、もしくはクリエイティブの発露として自分の大切な時間になるのは良いが、当初の本筋を見失うことがある。

見失いたくなくて、大事にしたくて、「今年はラジオをする年」にするのだ、1番優先するものは、まずはこの1月からはじめた自分の番組なのだと言い聞かせてきた。

 

案の定、はじめて1ヶ月でなんだか嫌になってきた。内容とかゲストのことではない。

なんて途方もない、大それたことをはじめてしまったんだ・・・!

わたしなんかに務まるはずがない・・・!

前回も今回もすごく楽しかった・・・いや、でもこれがいつまでも続くとも限らない・・・!

 

まるで、一度手ひどく振られた後に素晴らしい相手が現れて、新たな恋の充足感とともにまた傷つくのではないかと恐れているような揺れる乙女心状態。いや、違うかもしれないけど。

 

とにかく、はじめて1ヶ月、3ヶ月、5ヶ月ごろ・・・と定期的に現実逃避しようとした先に「文章」があった。

いや、正確にはそもそも文章だけではなくて。

実はわたしはラジオ以外にも音声配信もつづけているし(ラジオを始めた当初は余裕がなかったり、体調やモチベーションがよくないときには半年ほどめっきり頻度が落ちたこともあったが)、歌をカバーしたりつくったりもしている。

だからこそ、そこに「文章」が加わってしまえば……崩壊するに違いない、と恐れていた。

「書きたいな~」と思うたびに、「来年ね」「また今度ね」と、お菓子をねだる子どもをなだめるように抑えてきた。が、三浦しをんさんのエッセイを読んでいて、それが噴出した、というわけ。

なにせ、短めで楽しく読みやすい!

いやあの、わたしが楽しい文章を書けるかどうかは別として、「やっぱりなにか書きたい」気持ちになったのである。

わたしが三浦しをんさんを知ったのは、活字から離れて社会人としてあくせく働きながら、家に帰るというかただ「寝ぐら」に帰るだけというような中で「舟を編む」という映画(2013)に出会ってからだった。こんなに楽しいエッセイを書かれる方とは。

もちろん人伝てには知っていても、やっぱり実際に読まなくちゃあね(きっとそんな余裕がなかったんだなと自分をなぐさめてみる)。

 

ということで(?)、短いエッセイ集を編むように、文章を書く行為に日々触れるために、その器としてブログをリニューアルしようと思う。

日々の仕事や活動や家庭のことに負担がいかないよう、わたしの「文章が書きたい」という欲望を表現としてアウトプットする器としてリニューアルします、ブログ、manabigoto.com。

 

そうだな……

1~3分で読めるような短いものにする。長くて1800字。

だから、1つの記事のなかに「もくじ」もいらない。

今までの記事はおおむね非公開にする、ごめんだけど(誰にあやまってるのかな、記事?でも今後また今までの経験は断片として文章に再来するにちがいない)。

 

そして、テーマにさまよったり、なんだか飽きてきたりしないように、自分が書きそうなテーマをあらかじめ考えて、シンプルかわいいサムネイル(アイキャッチ)をつくり、ゆるやかな型を用意するとともにモチベーションをあげる!

……実はもう作ってしまって、うきうきした状態でこれをかいている。

 

とにかく。

ひさしぶりに文章を書くことを日常に招き入れたいと思う。

おかえり、わたしの文章。

 

 

 

 

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